犬の手作りご飯にオリーブオイルを入れたいと考えたとき、多くの飼い主が最初に迷うのは「体に良さそうだから毎日入れてよいのか」「小型犬にも小さじ1杯でよいのか」「便がゆるくなったら危険なのか」という与える量の判断です。
オリーブオイルは人の食卓では身近な油ですが、犬にとっては主食ではなく、あくまで手作りご飯の風味づけや脂質の補助として少量を使う食材です。
特に手作りご飯は、肉、魚、卵、乳製品、炒め油、おやつなどを合計すると脂質とカロリーが想像以上に増えやすく、オリーブオイルだけを見て量を決めると与えすぎにつながります。
この記事では、犬の手作りご飯にオリーブオイルを使う場合の考え方を、体重別の控えめな目安、カロリー換算、便や体調の見方、避けたい犬の特徴、他の油との違いまで含めて整理します。
なお、持病がある犬、膵炎や脂質代謝の問題を指摘された犬、療法食を食べている犬、子犬やシニア犬では、一般的な目安よりも獣医師の指示を優先してください。
犬の手作りご飯でオリーブオイルを与える量の目安

犬の手作りご飯にオリーブオイルを加える場合は、最初から「適量の上限」を探すより、少量で反応を見ながら必要な範囲だけ使う考え方が安全です。
オリーブオイルは小さじ1杯でも約40kcalあり、小型犬にとっては一日の摂取カロリーの中で無視できない量になるため、体重だけでなく、体型、運動量、主食の量、便の状態を合わせて判断する必要があります。
世界小動物獣医師会の資料では、主食以外の食べ物やおやつは一日のカロリーの10%以内に収める考え方が示されており、オリーブオイルも手作りご飯の補助として使うならこの枠を超えないように考えるのが現実的です。
ここでは健康な成犬を前提にした控えめな目安を示しますが、肥満気味の犬やお腹を壊しやすい犬では、表よりさらに少ない量から始めるほうが安心です。
まずはごく少量から始める
犬にオリーブオイルを初めて与えるときは、体重にかかわらず数滴から始め、便、嘔吐、食欲、かゆみ、元気の変化を数日観察するのが基本です。
人間の感覚では小さじ半分は少量に見えますが、犬の体は小さく、特に2kgから5kg前後の小型犬では数滴の違いでも便がゆるくなることがあります。
少量から始める理由は、オリーブオイルそのものが毒性の強い食材だからではなく、脂質としてカロリーが高く、胃腸に合わない犬では下痢や吐き気のきっかけになりやすいからです。
手作りご飯に混ぜる場合も、最初の数回は朝晩両方に入れず、どちらか一食だけにして反応を見たほうが、体調の変化とオリーブオイルの関係を判断しやすくなります。
便が普段より柔らかい、食後に口をくちゃくちゃする、草を食べたがる、腹部を気にするなどの変化が出た場合は、量を増やすのではなく一度中止して様子を見ることが大切です。
体重別の目安
体重別の量は、あくまで「この範囲から始めると過剰になりにくい」という控えめな目安として使い、毎日必ず与える基準として固定しないことが大切です。
小さじ1杯を5mlと考えると、4分の1杯は約1.25ml、8分の1杯は約0.6mlほどになり、家庭では計量スプーンよりもスポイトや小さな計量カップを使うほうが調整しやすくなります。
| 犬の体重 | 開始量の目安 | 使い方の考え方 |
|---|---|---|
| 2kgから3kg | 数滴から小さじ8分の1 | 毎日より時々から |
| 4kgから5kg | 小さじ8分の1から4分の1 | 便を見て慎重に |
| 6kgから10kg | 小さじ4分の1前後 | 慣れても増やしすぎない |
| 11kgから20kg | 小さじ4分の1から2分の1 | 主食の脂質と合算する |
| 21kgから30kg | 小さじ2分の1前後 | 運動量で調整する |
| 31kg以上 | 小さじ2分の1から1杯 | 上限ではなく開始目安 |
表の量は健康な成犬を想定した保守的な目安であり、すでに脂質の多い肉や魚を使っている日、チーズや卵黄を加える日、トレーニング用のおやつが多い日は、オリーブオイルを入れない判断も必要です。
「5kgなら小さじ1杯」といった単純な基準を見かけることもありますが、小さじ1杯は約40kcalなので、小型犬ではおやつの許容量を大きく使ってしまう可能性があります。
10%ルールで考える
オリーブオイルの量を決めるときは、体重だけでなく、一日の総摂取カロリーの中でどれくらいの割合を占めるかを考えると判断しやすくなります。
世界小動物獣医師会は、完全でバランスの取れた食事に追加するおやつや補助的な食べ物を一日のカロリーの10%以内にする考え方を示しており、手作りご飯に少量足す油もこの枠内で考えると過剰を避けやすくなります。
- 主食以外の追加食材は合計で考える
- オリーブオイルだけで10%を使い切らない
- おやつが多い日は油を減らす
- 体重管理中はさらに控える
- 療法食中は獣医師の指示を優先する
たとえば主食以外にささみジャーキー、果物、ヨーグルト、歯みがきガムを与えている場合、オリーブオイルを少量足しただけでも追加カロリー全体では多くなることがあります。
手作りご飯は「体に良い食材を少しずつ足す」ほど栄養バランスが良くなるわけではなく、足した分だけカロリーと脂質が増えるため、油を使う日と使わない日を分ける意識が役立ちます。
小さじ1杯のカロリー
オリーブオイルは炭水化物やたんぱく質をほとんど含まない脂質の食品で、栄養データでは小さじ1杯が約40kcal、大さじ1杯が約119kcalとされています。
40kcalという数字は人間には小さく感じても、体重3kgから5kgの犬では一日のカロリーのかなりの割合になり、毎日積み重なると体重増加の原因になります。
| 量 | おおよそのカロリー | 小型犬での注意 |
|---|---|---|
| 数滴 | 数kcal未満 | 初回に向く |
| 小さじ8分の1 | 約5kcal | 超小型犬で使いやすい |
| 小さじ4分の1 | 約10kcal | 小型犬の現実的な量 |
| 小さじ2分の1 | 約20kcal | 中型犬以上で検討 |
| 小さじ1杯 | 約40kcal | 小型犬では多い場合がある |
カロリーを見落としやすい理由は、油を液体として少量に感じるからですが、オリーブオイルはほぼ脂質なので、同じ小さじでも野菜スープや水分とは意味がまったく違います。
体重が増えやすい犬、避妊去勢後で太りやすくなった犬、散歩量が少ない犬では、オリーブオイルを足すよりも先に主食全体のカロリー設計を見直すほうが重要です。
毎日より状態観察を優先する
オリーブオイルを毎日与えるべきかどうかは、犬の健康状態、手作りご飯の内容、体型、便の安定性によって変わるため、すべての犬に毎日必要とはいえません。
手作りご飯で脂質が不足しがちな設計になっている場合には補助として使う余地がありますが、鶏皮、豚肉、サーモン、卵黄、乳製品などを使う日には油を足さなくても脂質が十分なことがあります。
毎日続ける場合でも、最初の一週間は量を固定し、便の硬さ、排便回数、体重、食後の様子を見て、問題がなければ少量のまま維持するという使い方が現実的です。
「毛艶に良さそう」「便通が良くなりそう」という期待だけで増量すると、かえって軟便、体重増加、膵臓への負担につながる可能性があります。
オリーブオイルは薬ではなく食材なので、皮膚病、便秘、食欲不振、口臭などの症状を油だけで解決しようとせず、続く不調があるときは原因を確認する姿勢が大切です。
子犬やシニアでは慎重にする
子犬は成長に必要な栄養バランスが大きく崩れやすく、シニア犬は消化機能や持病の影響を受けやすいため、成犬向けの量をそのまま当てはめないほうが安全です。
子犬の手作りご飯は、たんぱく質、脂質、カルシウム、リン、エネルギー密度などの調整が難しく、オリーブオイルを足すことで全体のバランスが良くなるとは限りません。
シニア犬では、食が細くなったときに風味づけとして少量使える場合がありますが、同時に膵炎、肝臓病、腎臓病、肥満、胆泥症などを抱えていることもあるため、量より適否の判断が先になります。
若いころに問題なく食べていた犬でも、年齢とともに脂質への反応が変わることがあり、以前と同じ量で急に軟便や嘔吐が出ることもあります。
成長期や高齢期では「良い油を足せば健康に良い」と考えるより、総合栄養食や獣医師が確認したレシピを中心にし、オリーブオイルは必要な場合の補助にとどめるほうが無難です。
持病がある犬は獣医師に相談する
膵炎の経験がある犬、脂質制限を指示されている犬、胆のうや肝臓の病気がある犬、療法食を食べている犬では、オリーブオイルを自己判断で足さないことが重要です。
VCA Animal Hospitalsの膵炎に関する解説では、治療では痛みや吐き気への対応とともに、少量の低脂肪で消化しやすい食事を使うことが示されており、脂質の追加は慎重に扱う必要があります。
- 膵炎の既往がある
- 脂質制限を受けている
- 療法食を食べている
- 肥満を指摘されている
- 嘔吐や下痢を繰り返す
- 腹痛のようなしぐさがある
このような犬では、オリーブオイルが少量であっても食事療法の目的を邪魔する場合があり、良かれと思って足した油が体調悪化の引き金になる可能性があります。
特に療法食は栄養バランスや脂質量を目的に合わせて設計されているため、主治医に相談せずトッピングを続けると、治療方針とずれてしまうことがあります。
手作りご飯全体の脂質を見直す
オリーブオイルの適量を考える前に、まず一食の中に脂質がどれくらい含まれているかを大まかに見直すことが大切です。
脂質はオリーブオイルだけでなく、肉の脂身、鶏皮、ひき肉、魚、卵黄、乳製品、炒め油、加工食品、おやつにも含まれているため、単品の量だけを見ても過剰かどうかは判断できません。
| 脂質が増えやすい材料 | 見直すポイント | 対応例 |
|---|---|---|
| 鶏皮つき肉 | 脂が多い | 皮を外す |
| 豚バラ肉 | 高脂質 | 赤身に替える |
| サーモン | 脂質を含む魚 | 油を足さない |
| 卵黄 | 脂質とカロリー | 頻度を調整する |
| チーズ | 脂質と塩分 | 常用しない |
脂質の多い食材を使った日はオリーブオイルを抜き、鶏むね肉や白身魚、野菜、炭水化物が中心で脂質が少ない日に少量使うほうが、手作りご飯全体のバランスを取りやすくなります。
犬の手作りご飯は一日単位だけでなく数日単位で見ると整えやすいため、毎食同じように油をかけるより、献立に合わせて足し引きする発想が向いています。
オリーブオイルを入れる理由

犬の手作りご飯にオリーブオイルを入れる主な理由は、風味を足して食べやすくすること、脂質の不足を補うこと、食材を調理しやすくすることです。
一方で、皮膚や毛艶、便通、口臭などへの効果を大きく期待しすぎると、必要以上に量を増やす原因になりやすいため、メリットは控えめに捉えるのが安全です。
オリーブオイルは「健康に良いから必ず入れるもの」ではなく、手作りご飯の材料や犬の反応に合わせて、必要な場面だけ少量使う補助食材として考えると失敗が減ります。
食いつきの補助になる
オリーブオイルの香りや口当たりは、手作りご飯の風味をまろやかにし、食いつきが落ちている犬の食事を助けることがあります。
ただし、食いつきが悪い原因には、単なる好みだけでなく、歯の痛み、胃腸の不調、発熱、ストレス、食事量の多すぎ、トッピングへの依存なども含まれます。
- 香りを足したいとき
- パサつく食材をまとめたいとき
- 低脂質すぎる献立を補いたいとき
- 薬を混ぜる食事を食べやすくしたいとき
- 食感を少し変えたいとき
食いつき目的で使う場合は、量を増やしてごまかすより、温度、食材の大きさ、主食の硬さ、水分量を調整したうえで、最後に数滴足す程度から始めると過剰になりにくいです。
油をかけないと食べない状態が続く場合は、食事内容が犬に合っていない可能性や体調不良の可能性があるため、オリーブオイルで解決しようとしないことが大切です。
脂溶性栄養素の吸収を助ける
脂質はエネルギー源であるだけでなく、脂溶性ビタミンを含む食材を食べるときに、栄養素の利用を助ける役割があります。
ただし、犬の手作りご飯で脂質がまったくない状態はむしろ少なく、肉や魚、卵を使っていれば自然に脂質が入るため、オリーブオイルを必ず追加する必要はありません。
| 献立の状態 | オリーブオイルの必要性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 赤身肉と野菜が中心 | 少量検討 | 脂質が少ない可能性 |
| 魚や卵を使う | 控えめ | 素材に脂質がある |
| 脂身の多い肉を使う | 不要な場合が多い | 過剰に注意 |
| 療法食に混ぜる | 相談が必要 | 設計を崩す可能性 |
栄養吸収を理由に使うなら、毎食たっぷりかけるのではなく、脂質が少ない献立のときに数滴から小さじ4分の1程度を足す使い方が現実的です。
手作りご飯の栄養バランスに不安がある場合は、オリーブオイルを足すよりも、動物栄養に詳しい獣医師へレシピ全体を確認してもらうほうが根本的な対策になります。
便の状態を見ながら使う
オリーブオイルを少量加えると便の通りがよくなったように見える犬もいますが、便が柔らかくなることと健康的な便通は同じではありません。
便秘気味だからといって油を増やすと、原因が水分不足、運動不足、腸の病気、薬の影響、食物繊維の不足や過剰にある場合には、根本的な解決にならないことがあります。
理想は、便の表面に軽いツヤがあり、拾ったときに形が崩れにくく、排便時に強くいきみすぎない状態です。
オリーブオイルを入れた後に便がぬるつく、形が保てない、回数が増える、粘液が混じる、吐き気がある場合は、量が多いか体質に合っていない可能性があります。
便通目的で使うなら、油だけに頼らず、水分量、食物繊維、散歩、食事回数、食材の消化しやすさを合わせて見直すことが大切です。
与えすぎで起こりやすい不調

オリーブオイルは犬が少量食べても問題になりにくい食材ですが、油である以上、与えすぎれば胃腸への負担、カロリー過多、体重増加、持病悪化の原因になります。
特に「自然な油だから安全」「エキストラバージンなら多くても大丈夫」と考えるのは危険で、品質が良い油でもカロリーと脂質であることは変わりません。
不調を防ぐには、異変が出たときにすぐ量を減らすのではなく、一度中止して普段の食事に戻し、症状が続く場合は早めに動物病院へ相談する判断が必要です。
下痢や嘔吐に注意する
オリーブオイルを与えた後に最も気づきやすい変化は、便がゆるくなる、排便回数が増える、食後に吐く、胃がむかむかしているように見えるといった胃腸の反応です。
これはオリーブオイルが腐っているからとは限らず、犬の胃腸が急な脂質の追加に慣れていない場合や、もともと消化器が敏感な場合にも起こります。
- 便が水っぽい
- 粘液が混じる
- 嘔吐を繰り返す
- 食欲が落ちる
- 元気がない
- お腹を触られるのを嫌がる
一回だけ便が少し柔らかい程度なら油を抜いて様子を見ることもありますが、嘔吐、強い下痢、ぐったりする、腹痛を疑うしぐさがある場合は家庭で調整せず受診を検討してください。
与えすぎによる胃腸症状は「次から半分にすればよい」と簡単に考えがちですが、繰り返す場合はオリーブオイル自体がその犬に合っていない可能性もあります。
膵炎リスクを軽く見ない
脂質の多い食事は犬の膵炎と関連して語られることが多く、オリーブオイルも油である以上、リスクをゼロとして扱うべきではありません。
VCA Animal Hospitalsの解説では、犬の膵炎は早期診断と治療が重要で、治療時には低脂肪で消化しやすい食事が使われることが示されています。
| 注意したい犬 | 理由 | 対応 |
|---|---|---|
| 膵炎の既往がある犬 | 再発リスクに注意 | 自己判断で足さない |
| 肥満気味の犬 | 脂質負担が増える | 減量方針を優先 |
| 嘔吐しやすい犬 | 消化器が敏感 | 数滴でも慎重に |
| 脂質制限中の犬 | 食事療法と矛盾 | 主治医に確認 |
膵炎は家庭で見分けにくく、嘔吐や下痢だけでなく、背中を丸める、祈りの姿勢をとる、食欲がない、元気がないといった形で現れることがあります。
「少量だから大丈夫」と思っても、すでに脂質の多い肉やおやつを食べた日に油を追加すると、合計量として負担が大きくなることがあります。
過去に膵炎を起こした犬では、オリーブオイルの品質や種類よりも、そもそも油を追加してよい状態かどうかを獣医師と確認することが先です。
肥満につながる足し算
犬の体重が増える原因は、一回の食事で大量に食べることだけではなく、毎日の小さな追加カロリーが積み重なることにもあります。
オリーブオイルを小さじ4分の1だけ足しても約10kcalになり、これを毎日続けながらおやつや主食を減らさなければ、体の小さな犬ほど体重に反映されやすくなります。
- 油を足した日はおやつを減らす
- 体重を週1回測る
- 肋骨の触れ方を見る
- 散歩量が少ない日は油を抜く
- 避妊去勢後は増量しない
肥満は見た目だけの問題ではなく、関節、呼吸、皮膚、糖代謝、心臓への負担にもつながるため、毛艶目的の油が体重増加を招いては本末転倒です。
オリーブオイルを使うなら、カロリーを足したぶん主食やおやつを微調整する意識を持ち、体重が増え始めたら真っ先に油の頻度と量を見直すのが現実的です。
手作りご飯で失敗しない使い方

犬の手作りご飯でオリーブオイルを使うなら、量だけでなく、入れるタイミング、混ぜ方、保存状態、食材との組み合わせも大切です。
同じ小さじ4分の1でも、空腹時にそのまま舐めさせるのと、温かいご飯に均一に混ぜるのでは胃腸への負担や食べ方が変わります。
また、手作りご飯では栄養を足すことに意識が向きやすい一方で、食材の安全性、脂質の合計、保存中の酸化を見落としやすいため、日々の運用をシンプルにすることが続けやすさにつながります。
仕上げに混ぜて使う
オリーブオイルは野菜や肉を炒める調理油として使うこともできますが、犬用の手作りご飯では、加熱後の仕上げに少量を混ぜるほうが量を管理しやすくなります。
フライパンに入れて調理すると、食材や器具に残る分が出て正確な摂取量がわかりにくくなり、つい多めに使ってしまうことがあります。
- ご飯を人肌程度に冷ます
- 計量してから垂らす
- 全体に均一に混ぜる
- 初回は一食だけにする
- 残したご飯は長時間置かない
仕上げに混ぜる方法なら、数滴、小さじ8分の1、小さじ4分の1と段階的に調整でき、便がゆるくなったときも原因を振り返りやすくなります。
油だけを皿に入れて舐めさせると、短時間で脂質を摂る形になりやすいため、基本的には食材全体に混ぜて与えるほうが無難です。
食材の組み合わせを整える
オリーブオイルを使う日は、献立全体を低脂質寄りに整えると、油を足しても過剰になりにくくなります。
特に肉の脂身、卵黄、魚、乳製品を同じ日に重ねると、オリーブオイルの量が少なくても合計脂質が多くなるため、食材の役割を分けて考えることが大切です。
| 献立例 | オリーブオイル | 理由 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉と野菜 | 少量可 | 脂質が少なめ |
| 白身魚と米 | 少量可 | 風味づけ向き |
| サーモンと卵黄 | 控える | 脂質が重なりやすい |
| 豚バラとチーズ | 避ける | 脂質とカロリーが多い |
手作りご飯を毎日作る場合は、脂質の少ない日だけオリーブオイルを使い、脂質の多い日は使わないというルールにすると、細かい計算をしなくても失敗しにくくなります。
犬の食事では「良い食材を全部入れる」よりも、主役を決めて足しすぎないことが大切で、油も肉も卵も魚も同じ日に重ねる必要はありません。
保存と酸化を避ける
オリーブオイルは開封後に光、空気、熱の影響を受けるため、犬に使う場合も人用と同じように保存状態に注意します。
古くなった油や酸化したようなにおいの油を犬に与えるメリットはなく、風味が落ちるだけでなく胃腸に合わない可能性もあります。
保存は直射日光を避け、コンロ周りの高温になる場所ではなく、冷暗所に置き、開封後はなるべく早めに使い切るのが基本です。
大容量ボトルは割安に見えますが、犬用として少量しか使わない家庭では使い切るまでに時間がかかるため、小さめのボトルを選ぶほうが管理しやすいことがあります。
犬のために特別な高級オイルを用意する必要はありませんが、においが変わったもの、賞味期限が大きく過ぎたもの、揚げ油として使い回したものは避けましょう。
他の油との違い

犬の手作りご飯で油を選ぶとき、オリーブオイル、亜麻仁油、魚油、ココナッツオイルを同じ「健康に良い油」としてまとめて考えると判断を誤りやすくなります。
油は種類ごとに含まれる脂肪酸や使い方が異なり、加熱に向くもの、加熱に向かないもの、目的が比較的はっきりしているもの、慎重に扱うべきものがあります。
大切なのは、複数の油を同時に足して健康効果を狙うことではなく、手作りご飯の不足や目的に合わせて一種類を少量だけ使い、犬の反応を見ながら続けるか判断することです。
亜麻仁油との違い
亜麻仁油はオメガ3系脂肪酸の一種であるαリノレン酸を含む油として知られますが、酸化しやすく加熱に向きにくいため、扱いやすさではオリーブオイルと違いがあります。
オリーブオイルは風味づけや調理のしやすさで使いやすい一方、亜麻仁油は目的を持って少量を仕上げに使う油と考えるほうが向いています。
| 項目 | オリーブオイル | 亜麻仁油 |
|---|---|---|
| 使いやすさ | 日常使いしやすい | 管理に注意 |
| 加熱 | 比較的使いやすい | 加熱を避けたい |
| 目的 | 風味と脂質補助 | 脂肪酸目的 |
| 注意点 | 量とカロリー | 酸化と保存 |
どちらを選んでも油であることは変わらないため、オリーブオイルに亜麻仁油を追加するような使い方をすると、脂質とカロリーが重なります。
皮膚や毛艶を目的に油を検討するなら、自己判断で複数の油を増やすより、かゆみ、脱毛、フケ、赤みの原因を動物病院で確認するほうが近道になることがあります。
魚油との違い
魚油はEPAやDHAを含むサプリメントとして使われることがあり、オリーブオイルとは目的が異なります。
魚油は健康管理の目的で獣医師から提案されることもありますが、製品ごとに濃度が異なり、過剰摂取や薬との関係に注意が必要なため、単純に食用油と同じ感覚で足すものではありません。
オリーブオイルは手作りご飯の風味づけや不足しがちな脂質の補助として使いやすい一方、魚油は脂肪酸の種類を目的に選ぶことが多く、量の考え方も製品表示や獣医師の指示に左右されます。
すでに魚を献立に使っている日や魚油サプリを使っている犬では、さらにオリーブオイルを足すと脂質が重なりやすいため、どちらか一方に絞る判断が必要です。
魚油を使う場合は、においの変化、保存方法、カプセルのカロリー、他のサプリとの重複を確認し、持病がある犬では必ず相談してから始めましょう。
ココナッツオイルとは別物
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸を含む油として話題になることがありますが、オリーブオイルとは脂肪酸の構成も風味も異なり、同じ量で置き換えればよいものではありません。
ココナッツオイルは犬によって下痢や体重増加につながることがあり、飽和脂肪酸が多い点も考えると、手作りご飯で安易に常用する油として選ぶ必要はありません。
- オリーブオイルは風味づけに使いやすい
- 亜麻仁油は酸化管理が重要
- 魚油は製品ごとの濃度確認が必要
- ココナッツオイルは常用を慎重に考える
- 複数の油を同時に足さない
どの油にも共通する注意点は、少量でもカロリーが高く、犬の体質や持病によっては合わないことがあるという点です。
油を選ぶときは「流行っているか」ではなく、手作りご飯の中で何を補いたいのか、今の体重や便の状態に無理がないかを基準にすると判断しやすくなります。
愛犬に合う少量を見つける
犬の手作りご飯にオリーブオイルを与える量は、健康な成犬であっても、最初は数滴から小さじ8分の1程度にとどめ、体重が大きい犬でも小さじ2分の1から1杯をいきなり毎日の基準にしないほうが安全です。
小さじ1杯は約40kcalあるため、特に小型犬では「少しだけ」のつもりでも追加カロリーとしては大きくなり、主食やおやつを調整しなければ体重増加につながります。
オリーブオイルを使う日は、脂身の多い肉、卵黄、チーズ、魚油サプリ、おやつなど他の脂質と重ならないようにし、便がゆるい、吐く、元気がない、腹痛を疑うしぐさがある場合はすぐに中止して体調を優先してください。
膵炎の既往、肥満、脂質制限、療法食、消化器症状、子犬やシニア犬といった条件がある場合は、一般的な体重別目安よりも獣医師の判断を優先することが大切です。
オリーブオイルは犬の手作りご飯を少し食べやすくする便利な補助食材ですが、健康を大きく変える特別な薬ではないため、少量、観察、調整を基本にして、愛犬に無理のない使い方を見つけましょう。




